弟(三好朝男)が発行している「土佐ひとり新聞」の読者約120名からの、私のエスペラントの論文に対する反響です。参考になるかも知れませんのでお送りします。三好鋭郎(えつお)
「土佐ひとり新聞」読者の皆さんへのお礼ならびに返信です。
大変に参考になるご意見に対し、文章にまとめさせて頂きました。ご一読いただけますれば幸いです。
エスペラントの先生がいない、同論文も認められていない、英語の上に更にエスペラントなんてとんでもない、反骨精神を持つ人は少ない、エスペラントには文化がない、などなどのご意見から、この戦いには勝算が無いといえるかも知れません。なによりもわたし自身が、「アリが象に立ち向かう戦い」だと認識しています。
ただ、1人としてベルリンの壁の崩壊が予期できなかったように、欧州人の反骨精神がどこまで盛り上がるかが、言語革命が起こるかどうかのさかえ目になると思っています。そこに、一筋の光明を見出して、一石を投じようとしています。近々、ドイツの有力紙「DIE ZIET」にも全面広告が掲載され、ベルギー、イタリア、フランス、ドイツと有力国を一巡します。もし何も起こらなかったら、数百年にわたり英語が世界を制覇するでしょう。そして、人類の9割が5年10年努力を続けても、たった1割に満たない英米人に、まったく歯が立たないという苛酷な言語問題が表面化し、いずれ英米対世界戦が起こらないかと心配しています。
先月のスエーデンでの世界エスペラント大会で、「ル・モンド」を読んだ40名あまりの友人の感想を、あるフランス人から聞きました。一様に「英語を受けいれざるをえないのかなあと、諦めかけていたおりに広告を読み、エスペラントがあるじゃないかと思い始めた」といいます。リヨン近郊のエスペランチストですが、3つの中学校が来年からの授業にエスペラントを取り入れることになったといい、ル・モンドを沢山コピーして配り、35名の会員が100名に増えたと報告されました。私は少ない費用で最大の成果を上げる為に、特にフランスのアメリカ嫌いに乗ろうとしています。フランスだけではなく、EU全体に英語に対する懸念は確実に増大しつつあり、いつか大衆とともに大物が動き出す可能性があると思っています。
昨年の7月、ロンドンで行なわれた世界連邦運動の世界大会で、私が同運動にエスペラントを持ち込もうとしたおり、「エスペラントは作られた言葉だからダメ」というイタリヤの委員に対して「英語もドイツ語も先祖が作った言葉。エスペラントのどこがおかしいのか」と、即座にイギリスのエスペランチストが切りかえし、そのイタリヤ人は黙ってしまいました。
エスペランチストの国際結婚によって、生まれながらにエスペラントを喋る子供たちが116年間に千人を越え、デナスカ・エスペランチストと呼ばれ、世界各地で活躍しています。世界エスペラント大会には毎年デナスカのこども大会が併設され、エスペラント文化は確実に育ちつつあると思っています。
最期の手段もあります。私が発明した杖カバンの「イージースワニー」が売れ出しており、世界のブランドになる可能性が高まっています。そこで、この5月の取締役会において、私が特許権を放棄する条件で、EZ-SWANYの利益の10%を私の人生目標に使えることが決議されました。もしかして、欧州を動かるほどの広告が続けられるかも知れません。私は電車も飛行機もエコノミーだし、ガソリン節約のためにトヨタのハイブリッドに乗り、人生目標の達成に賭けています。「何があなたをそのように駆り立てるのですか」とよく多くの記者から聞かれます。大本の歴代教主のおっしゃる「エスペラントが共通語にならないと、世界に平和は来ない」と、出口日出麿先生(三代教主補)の「捨て身になれば、どんな力でも頂ける」が、私を動かしています。
黒字が皆さんからのご意見の抜粋でして、赤字が私(三好)の見解でございます。
・ どこにいってもエスペラントの先生がいません。
2人目の私の教師はベルギーの青年でローデといい、エスペラントを6ヵ月習ってベラペラになり来日しました。もし無血革命が起こるとすれば、欧米で先生が無限にわいてくると思います。
・ 英語教育が効果をあげていない中で「エスペラントを」と言っても、拒否反応が強くて混乱するだけでしょう。日本にエスペラントを認知させるのは、出来ない相談のような気がします。
そのとおりなんですが、言語オンチの日本のことは眼中にありません。EUで言語革命が起これば、いやいや英米も従わざるを得なくなり、同時に世界に波及すると考えています。
・ 一人の個人にとって、エスペラントをやるより、英語を学ぶ方がはるかにメリットが大きいです。
今が英語の世の中だから仕方がないでしょうね。中世の知識階級はみんなラテン語を喋っていましたですね。
・ 非ヨーロッパ言語圏にとって、エスペラントは不利ですが、それを言い出すとキリない。
そのとおりですね。
・ エスペラント界にCDがあればいい。
シェクスピアなどの翻訳書など2万冊、詩でも散文でもCDもうなるほどあります。月間誌だけで数百種が発行されています。
・ 英語に統一しようにもイギリスは非協力的云々。もともと、英米が英語を国際語にしようとしていた実例が数々見られ、統一したくてたまらないのが英米なんです。何か誤解されているように思いますが・・・。
・ 米国や世界中の学生さんに、エスペラント奨学金を出してはどうでしょう。
そんお金はどこからも出ないのが実情です。話は少し違いまいが、英語学校のNOVAだけで45,000人のネイティブスピーカーが日本中の駅前で活躍しており、英語国は得ることばかりなんです。その先生の1人が私の今のエスペラント教師です。
・ 「日本語と同様に英語で感じ、喋れるようになれ」とハッパをかけています。 辞書の大半が例外説明という難しい英語で、そこまで期待するのは夢のまた夢だとおもいます。そのために、ブラッセルの国際機関は、たとえ欧米人であっても、お母さんから学んだ英語のできる人しか採用しないのです。
・ 三好さんにお聞きしますが、広告はエスペラントではなく仏語ですね。
当然でございます。
・ 日本人がスポンサーだったことが現地の話題になりませんでしたか。
読者に対しては「エスペラント・フランツァ」(仏エスペラント協会)が広告主です。一度フランスに飛び「広告主は私だ」とル・モンド社に乗り込もうと思いはじめました。たぶん大きい記事になり「日本人でさえ人類の未来を案じているのに、私達も立ち上るべきではないか」と思い始めるかも知れません。パリ在住のザルスキー・ザメンホフ氏(老齢のエスペラント創始者の孫)と共に、訪問してみたいと真剣に考えはじめています。どうもありがとうございました。
・ 相手を打ち負かすのは難しいですが、日常生活には不自由しないぐらいの会話力があります。
前述のように、打ち負かせないと英語では食ってゆけないということが、いま欧州、いや全世界で起こっています。
・ エスペラント歴だけは38年目、三好さんのエスペラント談義がとても刺激になりました。
ぜひとも再仲間入りしてください。
・ 言葉は、人間の生活や文化から切り離されて存在できるものではなさそうに思う。人工的に作り出された言葉は言葉ではない。
エスペラントは完璧な言葉ではありませんが、他のどの国の言語よりも比較にならないくらい覚えやすく、綺麗な言葉だと思っています。欧州では中世いらい約450種もの国際語が発表されましたが、それぞれに次から次へと欠点が表面化し、エスペラントだけが生き残りました。私が「英語の1/5で習える」と主張しますと、一様に「1/10だ」と欧州人から反論されています。エスペラントには発音記号がなくて、「A」は「あ」以外に発音しませんが、英語だと7つの発音があります。友達はAMIKOと書き「アミーコ」と発音し、愛はAMOと書き「アーモ」と発音します。アクセンクトは凡て後ろから二番目の母音です。などなど言語としての欠点が極端に少なく、書き言葉だと英語の1/100いや1/1000の労力ですみ、単語を覚えただけでキチンと書けます。結果、自然語の欠点を改良に改良を加えたエスペラントが、自然語よりも価値が低いとは言い切れないと思います。